奈々未、Erie、ももち…有力アイドルの相次ぐ引退決断に今後のアイドル界の行く末は?

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橋本奈々未ももちErieが芸能界引退

乃木坂46の橋本奈々未、E-girls兼DreamのErie(阿部絵里恵)、そしてカントリー・ガールズのももち(嗣永桃子)と立て続けに人気アイドルたちの芸能界引退発表があった今秋。

卒業制を取り入れているアイドルグループが多い今日の芸能界では、アイドルの卒業発表自体はさほど驚くことではない。しかし、多くのファンを抱えるアイドルの引退がこう続くとファンの間ではある説がささやかれるようになった。

アイドルブームの終焉が始まった?


しかし、今起ころうとしているのはアイドルブーム(アイドル戦国時代)の終焉という単純な話ではない。アイドルそのもの、つまり「アイドル像」が転換しようとしているのだ。この秋あった引退発表を振り返るとともに、アイドル界に今何が起きているのかを考えてみたい。

10月20日 乃木坂46の橋本奈々未が引退発表

AKB48の公式ライバルとして発足し、またたく間にファンを増やしてきた乃木坂46。その乃木坂の「御三家(結成初期の人気メンバー)」「福神(新曲ごとに選出される選抜の中の選抜ともいうべきメインメンバー)」として、発足時からグループを支えてきた橋本奈々未が10月20日、ラジオ番組『乃木坂46のオールナイトニッポン』の中で引退発表。

橋本は11月発売の新曲『サヨナラの意味』で初センターに抜擢されたことが数日前に発表されたばかりであり、突然の引退発表に世間を驚かせた。アイドルになった理由を「お金のため」であったと語る橋本は、実弟の学費にめどがついたことを期に芸能界引退を決意したと語っている。

引退時期は2017年2月の自身の誕生日頃を予定している。

10月28日 E-girls兼DreamのErieが引退発表

E-girls兼Dreamのパフォーマーとして活動しているErie(阿部絵里恵)も引退を発表。昨年、DJに専念するためにパフォーマーから退いていたErieだが、今回留学など幅広いことにチャレンジしていきたいとの希望から、引退するに至った。発表は自身の公式Instagramにて行われ、現在までに4000件以上の激励のコメントが続々と寄せられている。

年内に引退する旨公表している。

11月5日 カントリー・ガールズの嗣永桃子

Berryz工房のメンバーとして、「許してにゃん♪」などの強烈なぶりっ子キャラで人気を博したももちこと嗣永桃子も引退を発表。Berryz工房の無期限活動休止発表後にプレイングマネージャーとして加入していたカントリー・ガールズの2周年ライブの直前に会見を開き、引退に至った経緯を説明した。

嗣永はアイドル活動と並行して小学校・幼稚園の教員免許を取得しており、今後は教育の中でも特に興味のあった幼児教育の道に進むという。

引退は来年6月30日で、2002年6月30日にハロプロキッズオーディションに合格した嗣永にとって、アイドル人生15年の節目の日になる。

アイドル像の変化

かつてのアイドル像

かつてアイドル業界を一世風靡したモーニング娘。のブームが過ぎ去った頃、「会いに行けるアイドル」をコンセプトとしたアイドルグループ・AKB48が一躍脚光を浴びたことで、アイドル界をトップが交代し、いわゆる「アイドル像」が大きく変わった。言ってしまえば、一般人にとってアイドルというもののハードルが低くなった。

思えば、70〜80年代の山口百恵や中森明菜のようなアイドル像が当たり前だった時代、アイドルたちはファンにとって高嶺の花であり、時に「神」であった。その後90年代の小室ブームの影でアイドルが息を潜める時代を経てモーニング娘。が台頭すると、神だったアイドルの要件に「親しみやすさ」が追加され、お笑いに近いバラエティもこなせることがアイドルとして必須条件となっていった。そしてAKB48時代が到来すると、今度は「親しみやすさ」から「身近さ」を必要とされるようになった。アイドルはSNSを通して、プライベートさえもファンに見せていくほどの身近さが必要とされ、ファンからの距離が遠い女優ライクなアイドルは敬遠される傾向が顕著になっていった。

アイドルを目指す側の変化

アイドル像の変化がもたらしたのはファンの意識だけではない。アイドルを目指す側にも変化をもたらした。

かつて、アイドルを目指すことは非常に困難なことだった。アイドルになってからある一定の知名度を獲得するまでのハードルは今も昔も変わらないが、アイドルという職につくまでのハードルは物理的(採用のされやすさ)・精神的(目指しやすさ)ともに下がったと言える。

そのようにアイドルへの道のりがあまり険しいものではなくなった結果、アイドルグループが乱立された。さらに「ローカルアイドル」ブームもゆるキャラブームのごとく起こったことで、アイドルを目指すなら都会にいかなければいけない、という地理的な制約もなくなった。北海道にいても沖縄にいてもアイドル活動ができる時代になったのだ。

こうしてアイドルグループの増加に伴ってアイドルたちが増え続け、ついに現在では「供給過多」、つまりアイドルを募集しても候補者が集まらないという事態にまでなってしまっているのだ。

 

アイドル=ドリームワールドの方程式は崩壊している

飽和状態とギャップ

とは言え、アイドルは彼女たちにとって憧れの職業である。アイドルになることで夢のような、幻のような世界で生きることができるという幻想を持ってアイドルの世界に足を踏み入れてきた。しかし供給過多状態の昨今では、その幻想を実現させることが難しくなってきた。アイドルになる前の理想と、なったあとの現実のギャップに打ちのめされてしまうのだ。

ネット社会と現実主義思想

理想通りにいきにく状況になったことに加え、アイドル本人たちを取り巻く環境に変化が生じている。その最たる例がネット社会と現実主義思想(とりわけこれは「ゆとり教育」と揶揄されるものの中で芽生えた)によるものである。芸能界という閉鎖的なものに閉じ込められてきたアイドル像と異なり、今のアイドルはたとえ芸能界にいたとしても外の情報をいくらでも取り入れることが可能なのだ。そうした状況が、あらゆるものへの興味をかきたてていく。

アイドルで大成しても生き残れるとは限らない芸能界

アイドル業の難しさの一つに、「個」の出しにくさがある。

まだグループに所属している時には「◯◯の」「◯◯に所属している」という枕詞を武器にいくらでも戦うことができる。個人の名前が売れていなくても、グループの名前が売れてさえすれば問題なく「芸能人」のように装うことができる。

ところが卒業した途端、状況は一変してしまう。卒業後しばらくは「元◯◯の」と自己紹介することができるが、それもせいぜい数年のうちで、それが使えている間に個人の名前を売らなければならない。アイドル時代からは想像を絶するような困難が待ち構えているのだ。

例えば前田敦子は成功者。最近では彼女を「元AKB48の」と紹介するメディアは少ない。ほとんどが「女優の」前田敦子と紹介する。また、橋本環奈は現役アイドルだが、グループ名よりも先に個人名が売れて現在アイドルとしてよりも女優として名前を売りつつある成功例。異なるアプローチではあるが、このように個人の名前を売ることができるアイドルはほんの一握り。有名アイドルグループで上位10人以内に入っていようが、卒業後に名前が忘れ去られてしまうアイドルなんて珍しくもなんともないのだ。

彼女たちの引退は「もったいない」のではなく立派な「勇退」だ

アイドルたちを待ち受ける状況が厳しい昨今のアイドル戦国時代。その時代を生きたからこそ、人気絶頂の今、引退を決意することはもったいないことはなく、むしろ賢い決断だったとも言える。もちろん、人気があるからこそアイドルを継続していたとしても前田敦子のように女優へのステップアップを果たせた可能性だってある。しかし、それは非常に危ない橋で、その危ない橋を渡るよりはまだ痛々しい姿を見せないうちに、安全な橋を渡ることのできる人生にチェンジするのはなんら不思議なことではない。現実とこれからの状況を見据えれば、自然と決意できることなのかもしれない。

解散・引退は今後も続くか

この1年で「アイドルブーム(アイドル戦国時代)」終焉ムードが色濃くなってきた。それは今回の引退騒動に関連してだけでなく、例えばGALETTeやDoll☆Elementsのような中堅グループの解散が相次いだ際にも叫ばれてきた。全く無名の地下アイドルが解散することは珍しくないが、毎月毎月数千程度はネット検索されるようなある一定量のファンを持つグループの解散が続いているのだ。無名アイドルだけでなく、中堅クラスも悲鳴を上げてきている。つい先日行われた「 AKB48選抜総選挙」で第2位に輝いた渡辺麻友の「今のAKB48はピンチだと思います。」とコメントしている様子を見ると、現在のアイドルブームを牽引しているマンモスグループでさえも厳しい状況なのかもしれない。それは状況だけでなく、長く続きすぎたアイドルブームに消費者側の飽きがきていることもあるのだろう。

今後、アイドルにとっては厳しい状況が続く。その中で生き残るためにどのくらいのアイドルがもがき苦しむことができるのだろうか。

橋本奈々未ももちErieが芸能界引退

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